「運動不足を解消したいけれど、なかなか外へ出ていくことが出来ない」「できるだけ自宅で簡単に体を動かしたい」。

そんなとき、家で気軽に実践できる運動があるなら、時間や天気を問わずに体を動かすことができますよね。

自宅でもポイントを押さえて運動すれば簡単に、運動不足は解消し、健康な身体を得られます。

そこで、医療、介護、福祉領域で活動する現役理学療法士である私が、

自宅トレーニングのコツと、すぐに実践できるおすすめのトレーニングをご紹介します。

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・自宅で簡単に運動不足を解消するには?
・器具がなくても簡単にできる自宅トレーニングBest3
・自宅トレーニングの効果を高めるポイント

■自宅で簡単に運動不足を解消するには?

まずは、できることから始めましょう。

運動不足を解消する場合、怪我をしないように自分にできる範囲の簡単な運動から

始めることが大切です。

毎日コツコツと小さな一歩から始めましょう。

そのための、運動を紹介します。

■器具がなくても簡単にできる自宅トレーニングBest3

その① スクワット

キングオブトレーニングと言われるスクワット。

やり方次第で沢山の筋肉を使うため、とても効率のいい種目です。

特に大きい筋肉である大腿四頭筋とハムストリングス(裏もも)を

鍛えることで、代謝アップ、冷えの改善効果も期待できます。

方法

 足を肩幅程度に広げて立ち、背筋を伸ばした状態です。つま先はやや外側に向けましょう。

  1. 基本姿勢をとり、手を肩の高さに上げてまっすぐ伸ばします。
  2. 息を吸いながら、4秒ほどかけて腰を落としていきます。
  3. 太ももが床と平行になるまで腰を落としたら、今度は息を吐きながら4秒かけて元の姿勢に戻ります。

回数

 1セット10回程度で、1日3セットを目標に取り組みます。

注意

 腰を落とす際は、ひざがつま先よりも前に出ないように注意しましょう。

 また、ひざを曲げても腰はかがめず、まっすぐに背筋が伸びた状態をキープします。

その② かかとあげ

「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎは、血液を上半身にポンプのように送る重要な役割を果たしています。

運動量が少ないと、血液の流れが滞り足のむくみを生む原因となります。

かかとあげをすることで、ふくらはぎが鍛えられ、血液の流れが良くなります。

結果、むくみの解消、冷えの改善が見込まれます。

普段運動をしない人でも、かかとあげをするだけでかなりの効果が期待できます。

方法

 足を肩幅程度に広げて立ち、背筋を伸ばした状態です。つま先は正面に向けましょう。

 不安定な方は、椅子の背やテーブル、手すりをもって行いましょう。

  1. 基本姿勢をとり、かかとをまっすぐ上に持ちあげます。
  2. 息を吐きながら、4秒ほどかけてかかとを持ちあげます。
  3. かかとがあがりきったら、今度は息を吸いながら4秒かけて元の姿勢に戻ります。

回数

 1セット10回程度で、1日3セットを目標に取り組みます。

注意

 つま先の向きは、常に正面に向くように注意しましょう。

 まっすぐに背筋が伸びた状態をキープします。

その③ 片足立ち

片足立ちは、1分の運動を1日3回行うだけで

ウォーキング50分したのと同じくらいの効果が得られるといいます。

基礎代謝が上がるとカロリーの消費量が増え、体の冷えも改善します。

さらに片足立ちは、体でもバランスをとるので体幹を鍛えることもできます。

 

方法

 机など支えがある状態で、片足を上げます。上げすぎると危険ですので、床から片足が離れれば大丈夫です。

  1. 基本姿勢をとり、片足を上げます。
  2. その状態を1分間続けます。

回数

 1日3回を目標に取り組みます。

注意

 支えとなるものがある状態で、行いましょう。

 ふらつきや転倒には十分注意しましょう。

■自宅トレーニングの効果を高めるポイント

自宅トレーニングでしっかりと効果を得るためには、定期的に取り組むことと、

複数のトレーニングを取り入れることがポイントです。

✓定期的に取り組む


 トレーニング後は筋肉をきちんと休ませる必要がありますが、休ませすぎても思うように効果は得られません。

 定期的に筋肉を刺激することで、トレーニングの成果が出てきます。

 負荷が軽いトレーニングはその分回復も早いため、しっかり休養をとれば毎日取り組んでも大丈夫です。

 休日を設ける場合は、週に3~4日程度の頻度でトレーニングに取り組みましょう。

✓複数のトレーニングを取り入れる


 毎回同じ部位だけを鍛えると、バランスの悪い体付きになってしまいます。複数のトレーニングを取り入れたり、

 トレーニングごとに組み合わせを変えたりして、バランスのとれた運動を目指しましょう。

■終わりに

 新型コロナウィルス感染症の拡大による外出自粛で、高齢者の身体活動時間が大幅に減っています。

 国立長寿医療研究センターの調査によれば、新型コロナウィルス感染症の拡大前後で、高齢者の身体活動時間は

 1週間当たり約60分(約3割)減少していることが明らかになりました。

(出典:国立長寿医療研究センター「感染予防と身体活動」)https://www.ncgg.go.jp/hospital/documents/kansenyobo.pdf


 身体活動時間の減少は筋力低下につながります。筋力低下は、高齢者の転倒の大きな要因となっており、

 筋力低下により4倍転倒しやすいというデータもあります。

 筋力が落ちる前に、転倒する前に、今からできる運動を一緒に行いましょう。